激甘男子の愛し方


「あたし、洸のこと好きだよ?だから、期待して悩んでいたのに……」



「……」



悩んでいた……?



俺が気付いてないだけで、真子は一人で悩んでいたのか……?




「ごめん……。ホテルであんなこと言ってて、勝手だね……。ごめんね……」



俺の上からそっとおりて、真子は自分の部屋から出て行った。




それから俺はどんな風に自分の部屋に帰ったかさえ記憶がない。



真子に声をかける余裕すらなかった……




―― 『その期待は、紙一重で不安に変わるんだぞ』



期待させたのは俺だ……



純粋な真子だって、縛りつけてしまったのも俺だ……




そして何より……



「不安にさせないって決めたのに……」




――全てそうさせてしまったのは、俺の未熟さだ。





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