激甘男子の愛し方


「ねぇ、洸くん」



「はい?」



「昨日はありがとうね」



「え?」



お礼を言われるようなことなんて……



「あの人のお墓にバラをお供えしてくれたでしょ?」



「っ……」



「お義母さんから連絡が来たのよ。今日の朝にお墓に行ったら、バラが一輪お供えしてあったって」



優しい笑顔を俺に笑顔を向けてくる。



「洸くんでしょ?そのバラをお供えしてくれたのって……」



「……」



「だって他に思いつかないんだもん。あたしとあの人の思い出の花をお供えする人なんて」



そう。



俺は昨日、真子のお父さんの実家……つまり、真子のお父さんが眠っているお墓を訪ねた。




「……すみません。前に大樹さんに聞いてたんです」




2人の思い出を俺なんかが聞いていた。




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