激甘男子の愛し方



「でも、本当の家族じゃない……」




「……は」




「ちょっと、真子ちゃん」



真子のおばあちゃんが真子に声を掛けるが、真子は気にせず続けた。




「洸があたしの全てじゃないの」



「ま……こ?」




どうしたんだよ。



突然……



そんなこと今まで言ったこと……



「洸もちゃんと周りを見て。あたしだけじゃなくて周りを」



「俺はちゃんと……」



「それでちゃんとあたしにも周りを見せて」



「は……?」




「洸は、あたしを守ってくれてるつもりかもしれないけど、あたしは洸の世界に縛られてる気分だよ」



俺の世界……?



俺が真子を縛っている?





「洸、あたしは洸の妹でもなければ、娘でもないよ」




――なんで突然、そんなこと言うんだよ……




真子。






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