ハレイロ


ある日の朝、風邪を引いた僕は、朝一番に君にメールした。


―――ごめん。風邪引いた。只今38,8分。
死にそー(泣)


すると、返信は即効で、君は物凄く優しい言葉をかけてくれた。


―――大丈夫??
ご飯、無理にとは言わないけどちゃんと食べてね(^^)
そしたらちゃんと薬飲んで、私が行くまで休んでてね☆


…来てくれるんだ。


こんな感じのメールが来るたびに、嬉しくて心躍った。




そして、このメールの内容のとおり、ご飯を出来るだけ食べ、風邪薬を飲んで、ずーっと寝てた。

気づくと窓の外は夕暮れで、どれだけ体に疲れがたまっていたかわかる。


しばらくボーっとしてると、下から賑やかな話声が聞こえた。


気になったので、下に行ってみると、そこには僕の母親とおしゃべりをしている君の姿があった。


「あ、起きてたの??」

「いや、話し声で起きた。」

「それはごめんなさい。ねぇ、まさか、あんたにこんな可愛い彼女がいたなんて、母さんびっくりだわ。」

「…」


母さんは、あの頃、本当にめんどくさかったな。

君を紹介する前に、僕が風邪を引いて、こんな形で会わせてしまうとは…。



「とにかく、母さんは、黙ってて。」

「なによぅ。今まで寝てたくせに。」

「だからだよ。もう十分しゃべっただろう!?次は僕の番だ。」

「あら、焼いちゃった??」

「うるさい!!」



そういって、僕は母さんとの会話を打ち切って、君を部屋に入れたんだっけ…


今思えば乱暴だったなぁ…



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