シュガーレスキス
「後藤さん」

 仕事を終えて帰り支度をはじめようとした後藤さんに声をかけると、彼女は飛び上がるほど驚いて振り返った。

「何もしないよ。僕、そんなに怖い?まあ……そういう気持ちにさせたのは僕自身だね。今まで申し訳なかった……それだけもう一度謝りたくて。じゃあ……お疲れ様」

「はあ。お疲れ様です」

 僕のあっさりした挨拶に、彼女もちょっとビックリした様子でしばらくそのまま動けないでいた。

 これから僕は年上の女王様の相手をしなくてはいけない。
 決して裏切られる事のない固い契約を交わして…………。

 幸せは、見つかるだろうか?
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