ヤンヤンデレデレ
「“先生”からの伝言です。『こいのぼり上げたいから、男手欲しいなぁ』と」
『…………ちっ』
どす黒い舌打ちは鳥肌ものだが、こうなることは“伝言聞いた時から、知っていた”。
「そんな瑞希さんに更なる追撃。『“貸し”はまだまだ返済できてないわよぅ』とのことです」
『今度の日曜日に行ってさし上げますから、首洗って待っていろ。――と“先生”に伝えておいてね』
ガチャ切りなんてスマフォじゃ出来ないはずなのに、瑞希の怒りが通話終了に叩きつけられた気がした。
おっかねーと思いつつ、前を見れば、机に顔を伏している誉を拝む。
「瑞希さんといっぱい喋ったーっ」
「いや、そんなには」
「3分24秒も喋るなんて!」
「ストップウォッチでもあるのか……。泣かない、泣ーかーなーいー。帰ったら瑞希さんといっぱい喋ればいいじゃん。瑞希さんだって、『美奈ちゃんといっぱい喋ったから』とか寂しがっているだろうしね」