いちご大福







――――キーンコーンカーンコーン


1時間目が終わった


もう限界かも


頭痛でまともに授業受けれなかった…


次は自習


こっそりみんなの目を盗んで学校を抜け出した


家帰っても病院つれてかれちゃうしなぁ…


祐也と希美には連絡できるわけないし


残った連絡先は


啓…


気づいた時には啓にメールを送っていた


"ごめん、放っといて"って


昨日の空地で時間を潰すことにした


土管の後ろに座って


ケータイを見るとメールがたくさん来ていた


希美からも祐也からも、啓からも。


祐也からは分刻みできてる


やっぱり、悪いことしちゃったかな


いや…


もういいのか。別に


――――♪♪♪


啓から新しくメールが届いた


"待ってろ"


「ネオン!!!」


息を切らせながら啓が空地にやって来た


「なんでわかっ・・・」


「病院…行くぞ」


啓はまだ肩で呼吸をしていて


汗が落ちている


走ってきてくれたんだ


「イヤだ。行かない」


啓はため息をつきながらしゃがみこんだ


背の高い啓と目が合う高さ


ほんとモデルさんみたい


て言うか、一時期モデルもやってたし


ほんと、顔だけはいい


「顔になんかついてる?」


「えっ、いやちがっ」


見つめすぎて勘違いされたみたいだ


顔が赤くなるのが自分でもわかる



啓は隣に座った



「祐也となにあったの。あいつ鈍感だから言わなきゃわかんねぇよ」



髪をいじりながら聞いてきた



これは啓の小さい頃からの癖



「昨日さ、祐也と希美が一緒に手つないで歩いてたの見ちゃったの。あれはちょっと耐えれなかった。」


これを聞いたら啓もびっくりするかもしれない


そう思ってたのに


啓は何かを知っているような


少し苦笑いだ


「そっか、見ちゃったんだ。」



――――――――見ちゃった?



「――――――え?」



啓も知ってたの?


その瞬間胸が強く締め付けられた


深く強く刺すように


――――――――裏切られた


今までのことがバカバカしくなってきた


笑顔でいた私がバカだったみたい


だんだん意識が薄れていくのが分かった


啓が何かを叫んでいるのがわかるけど


もう、いいや
















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