鐘つき聖堂の魔女


「まぁ、料理は覚えれば誰でも出来るようになるよ」というライルのフォローが心に痛い。



「こう見えても掃除、洗濯、料理、一通りのことはできるから、きっと役に立つと思う」

「一応掃除と洗濯は自分でしてる」

リーシャは慌てて弁明した。

初対面のライルにでさえ、料理だけでなく掃除や洗濯までしてないただの怠け者だとは思われたくなかったという想いが少なからずあったのだろう。



「分かった。じゃあ掃除と洗濯以外は任せてくれ」

「ま、待って!まだ貴方が泊まること許可した訳じゃないんだから!」

流れに任せてリーシャが同意することを少なからず期待していたが、そう上手くはいかない。

ライルも無理を言っていることを自覚していただけに強引にはいかなかった。



「俺が君に手を出さなかったということが証明にならないだろうか?」

「でも……」

出逢って二日目、話した時間約五分で決断するには難しい問題だった。

リーシャが答えに迷っているのを察したライルは諦めたように笑う。



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