†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子
第20夜.囚われしもの


あたりは、暗闇に包まれ

どこからか、水が落ちているのか

ピチョン、ピチョン・・・とソレの音だけが響く。



あれから、どのくらい経ったのか。

1時間・・・いや、数日経っているのかもしれない。



この世界は、陽が昇ることはない。

ただ闇に包まれ、仄かに月の明かりが空を照らすだけ。

だから、尚更時間の感覚が分からない。



それに、俺の手足は拘束され

今動かせるのは、首だけだ。



俺が居るのは、たぶん地下牢。

城の地下深くにあり、罪人や血に飢え自我を失ったものを

拘束するために作られた場所。



そんな場所に、俺が入ることになろうとは――――――――



くそっ。

気を付けていたはずだったのに。

ふいに、俺と母親が住んでいた離れが気になって

覗き込んだ瞬間、後ろから鈍器のようなもので殴られてしまった。


一生の不覚だ――――――――

< 233 / 391 >

この作品をシェア

pagetop