†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


今から数分前。

彼女は、自らの意志で千景の元に歩み出た。



きっと俺達を守るために。

そして、冬夜に逢う為に。



千景は、そんな彼女の意図を知ってか知らずか

クスクス笑いながら、姫を伴って

空間移動した。



彼女は・・・姫は、どうなるのだろう。

俺達、ヴァンパイアに特別な力を与えるという姫の一族。

千景は姫を使って、その力を得ようというのだろうか。



だとしたら、彼女の命はどうなる?




「姫・・・。」

「蒼生、何処へ行くの?」

「もちろん、姫を助けに行く。みんなは、どうするの?」

「・・・死ぬかもしれないよ。それでも?」

「颯斗先輩。そんなの、ココに来るときに覚悟してる。」

「上等だ。行くぞ。」




ニッと口元だけ笑って、俺の頭を小突くバカ猿、裕人。

続いて、小さく溜息を吐きながらも穏やかな笑みを浮かべる颯斗先輩。

紅寧も嬉しそうに、ピョンと小さく飛び跳ね俺の隣についた。

< 249 / 391 >

この作品をシェア

pagetop