†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子
第22夜.宴の始まり


石造りの部屋には、私がいる簡素なベットだけ。

それ以外の家具や装飾はない。

少し生徒会の冬夜の部屋と似ているけれど

それよりも、もっと冷たくて寒々しい感じの部屋だ。



多分、城の何処か・・・だとは思うけど

全く検討もつかない。




「・・・お目覚めですか。食事をお持ちしました。」

「食事なんて・・・。」




食べたくない。

そう続けるつもりが、ぐぅ〜と予想外にも

大きな音をたてた自分のお腹に、ビックリして言い出せなかった。



慌ててお腹を押さえ、恥ずかしくて赤くなった顔を

侍女らしき女性にむけた。

けれど彼女は興味なさそうに、無表情のまま。



そのまま彼女は、ベッドに近づき

食事が乗ったトレイを私のすぐ横に置いた。

まぁ、ベッド以外置く場所も無いのだから仕方ないのだけど。

ココで食べろ、ということなのだろう。




「あの、ココはどこ?」

「・・・・・・。」


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