愛していました。
13回目のクリスマス。





 " 走れそりよ 風のように
  雪の中を 軽く早く
  笑い声を 雪にまけば
  明るい光の 花になるよ "


「じんぐるべーる じんぐるべーる、」


鈴が、鳴る?
鳴る訳無いでしょ、此処は病院なの。
鳴りでもしたもんなら
看護師の御姉さんに怒られるかんね。

誰もが知ってる名曲に
心の中でぽつり、と突っ込みを零し
クリスマスだと言うのに
雪一つ落とす気配の無い空を窓から見上げた。
見事な程に暖房の効いた暖かい病室では
幾等大きく溜め息を吐いてみても
冬特有の白く染まる空気に出逢える事は無い。


此処は病院。私は其の患者。
生まれ付き身体が弱くてずっと病院に…
何て良く有る感動話の一つだ。

親が必死に誤魔化す自分の病気を、私は知ってる。
だからこそ、親が嫌いだ。
其れに加え父も母も忙しく
私に会いに来る事は滅多に無い。
其れが例え、クリスマスでも。
だから尚更好きに成れない。

子供と言える程幼くは無いものの
所詮は未だ13歳、
普通の女の子が着る様な可愛い洋服だって欲しいし
ゲームだって恋バナだってしてみたい。

…無駄な願いは虚しくなるだけだ。
はあ、と再び大きな溜め息を零し
態とらしく音を立ててベッドへ倒れた。




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