あなたのキスで世界は変わる


知らない。聞いてない。

でも、それは私があまり学校にいなかったからだけど。


てか…興味ない。


ため息を吐いて窓の外に目線をやると雲の流れを追いかけた。


空を飛べたらいいのに。

そしたらきっとイヤなことなんてなに一つなくて。


幸せな気持ちのまま、穏やかに過ごせるのに。


ーーガララッ。

扉が開く音がすると教室内がざわついた。



「きゃーっ」

「かっこいい!」



小さな悲鳴と、甘いため息。


…なに、そんなにイケメン?

どれどれ…



「…………」



驚いた。

居るんだ、同じ年であんなに大人びたやつ。


かっこよくセットされた黒髪。
細めの二重の目と、高く筋の通った鼻。


ふーん…

< 19 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop