<Rain>

+浩太郎side



「傘…いれてくれる人とか……?」


「とか?って、俺知らねぇし。」


きょとんとしながら俺を見る杏実に呆れた顔をして答えた。

俺、傘いれてもらったことないし、知るわけねぇじゃん?


……杏実って、ほんと人とズレてるよね。

感情表現も下手くそだし。


だから、ちょっと心配。



ちゃんと友達できたんかな、とか。
うまくやっていけてんのかな、とか。



まぁ、何かあったとしても俺は何もしないけど☆


「ちょ、もういいよ。何真剣になってんの。」

なんだか難しい顔をしている杏実。

ウケるんだけど(笑)


笑いながら頭を軽く突くけど、相変わらず反応が無い。


……うん。
これはちょっとどころじゃねぇかな。


だいぶ、心配。



「ってゆーか、傘いれてくれるなんて、結構良い奴じゃんね?ソイツ。」



そう言うと、びっくりしたような顔で

「浩太郎もそう思う?」

とか聞いてきた杏実。



うゎ、久しぶりにそんな顔見たし。



……もしかしたら本当に結構良い奴なのかもしれない。


「んー、興味ない。」


そう言って、なんとなく適当に返した。


………そんな俺にため息をついてる杏実は、放っておこうっと。


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