同棲生活·2
拳を握りしめ歩き出した、その時。

2人は別れた。

亮二は喫煙ルームへ入って行き、笹原さんは多分、更衣室の方へ。

ほー。茨の道を通らずに済んだ。


でも、これから、こんなことが続くのかな?

そう思うと、またモヤモヤしてきた。


喫煙ルームの前を通ると、亮二は呑気に同僚の篠田と話をしながら、タバコを吸っていた。





その日──


亮二が帰ってきたのは、夜の9時を回っていた。



「ただいま」

「おかえり」

リビングのソファに座って、テレビを観ながらぶっきらぼうに答えた。


「樹里?」

「……」

「怒ってるんだろ? 今朝のこと」
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