弱小バスケ部の奇跡
「はっ!」
「わざとらしい」
「………。」
普通にやれば『胡散臭い』。
大袈裟にやれば『わざとらしい』。
これはもう、なす術がないのでは。
美凪はしばらく考え込んだ。
そして「そうだ!」と手を叩いた。
「棗、1回さ、本気で行ってみて」
「……え、え? どういうこと」
「実際には抜かなくていいから、1回本気で抜くつもりでやってみて」
抜かなくていいから、本気で抜くつもり。
つまり、抜く直前でストップしろってわけか。
うん、わかった。