君だけの星へ
時刻は午後7時すぎ。

5月の空は、もうだいぶ闇がかかっている。



「(しばかれる……! 長い時間あの王様を待たせたら、絶対しばかれる……!)」



すでに日が暮れている中、そんなことを考えながらコンビニまでの道を黙々と歩いた。

家からコンビニまでは、歩いて15分ほど。このペースの早歩きだと、もう少し早く着きそうだ。

だけど、家から500メートルほど進んだところでふと気づく。



「(……な、なんか、誰かにつけられて、る?)」



まわりには、自分以外人の姿は見えない。

だけども足音がふたり分聞こえているということは、それはつまり、自分の後方に別の誰かがいるということで。


……いや、いやいや、ただ単に向かっている場所が同じ方向にあるだけかもしれないし。

だけど待てよ、なんか最近このあたりに、変質者が出るとか出ないとか……。



「………」



頭の中で、今の状況を整理する。

1.外はもう薄暗い
2.都合良くあたりに人はいない
3.一応わたしは花の女子高生

……なんか見事に条件そろってるよ……!
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