僕と再婚して下さい。
居酒屋からアパートまで、あっという間の距離ですぐに着いた。


「今日、会えて嬉しかった。それに楽しかった」

「ははは。オレみたいな男で楽しいんですか?」

「洋介くんは、とっても素敵よ。だからまた連絡するから」

「……」


返事に困ってしまう。

友達としての連絡や誘いなら受けるけど。


「もう。深く考えないでよ。顔に書いてあるんだけど」


そう言われて、オレは苦笑いをするしかなかった。


「元嫁さんのことで何かあったら、今日みたいに話してよ。溜め込まないようにしないと」

「そうですね」

「それじゃあ、おやすみなさい」

「おやすみなさい」


オレは彩さんが、家の中に入るのを見届けてから背を向けた。


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