天使みたいな死神に、恋をした
病院には色がない。
辺りは真っ白かクリーム色。カラフルポップな色はなんでないんだろうとつくづく思う。なにかしらの配慮なんだろうと思うけど、もう少しカラフルにしてくれたら怖い雰囲気はなくなるだろうに。
アンジュラに連れられ、私は病院の中を飛ぶように歩いている。でも、誰も私たちには気付かない。
私の体はといえば、ICUに入っていた。それに近くには見知った顔もちらちらいる。
あっちの世界に行っていないサークル仲間たちだ。
私は顔から身体から足までを包帯でぐるぐるミイラ巻きにされていて、管だらけ。
「めっちゃ痛そうなんですけど」
自分で自分の肩をさすりながら後ろにいるアンジュラにぼそりと感想を漏らす。
「身体の方はしんどいでしょうが、意識はここにいますから」
それってどういうことなんだか理解に苦しむ。
今のところ、見た感じでは安定してるみたいに見える。
ただ目覚めないってだけだ。
身体はベッドの上に横たわっているけど、意識である私はベッドの上あたりに浮かんで自分の身体を見下ろしている。
その後ろにアンジュラが立っていて、何をするわけでもなくただ着いてくる。
もしかして幽体離脱とはこういうことなのかな。
なんとも不思議な光景だ。だって、私が二人いるんだから。
ベッドの上に横たわってる私と今ここで浮かんでいる私。
一体どっちが本当の私なんだろうか。