黄昏に香る音色
旅立ち
あれから、1年以上経った。

浅倉や滝川が、卒業した後も、ペパーミントは続き、

学校内だけではなく、いろんな学生のイベントにも参加し、話題となった。

特に、

和美とやり合った明日香のことは、

音楽業界でも、少しうわさになった。


だけど、

明日香は、すべての誘いに乗らなかった。


和美も、2枚目のアルバムをリリースし、ヒットチャートの上位にランクインした。

特に、今まで隠していた理恵の娘であることを告白し、

啓介とともに、日本語で、カバーした未来は、

感動を呼び、シングルカットされた。

歌詞は、少し和美が変え、

本当に、作詞に参加したことになった。






高校を、卒業した明日香は、海と山が近い短大に通うことになった。

今や、短大は少なくなっていたけど、明日香には目標があった。

普通の四年制大学に、だらだらいく時間はなかった。


ジャズを愛する街。

人口は少ないが、ライブハウスは多かった。

1人暮らしを望んだが、

なぜか、里美がついてきた。

ドラムの腕も上がり、いつのまにか、音楽にどっぷりだ。

2人で、今や都会では珍しい木造アパートの2階に、住む。

2人はすぐに、1番近いライブハウスに通い、

メンバーを探しだした。

新生ペパーミントを、結成する為だ。



この街に来て…2ヶ月がたったある日。

アパートを訪ねる者がいた。

和美だ。
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