黄昏に香る音色
夜の仕事
派手な格好に、

派手な化粧。

他では、浮いてしまいそうな格好も、

この街では普通だった。


そこら辺にいる…恋人同士には見えないカップルも、

当たり前。

普通のこと。

単なるお仕事。

真っすぐに、

できるだけ、すまして歩く。

だらしないやつは、多いけど、

せめて、

見栄えだけは、ちゃんとしたかった。

だけど…

ずっと、左頬が痛んでいた。

化粧で何とか…アザは、隠すことができたけど、

痛みだけは、誤魔化せなかった。

馬鹿な男に、殴られたのだ。

女を殴るやつは、最低の男だ。

でも、

あたしの

今までの確率では、そんな男にしか出会っていない。

あたしが、悪いだよ。

自分に、毒づいても仕方がない。

半分…そんなものだと思っている。

ただあいつには、むかついたから、

あの男には、出て行って貰う。

なぜか…

いつも

男が、あたしのうちに転がり込んでくる。

帰れとも言わないから、ずっといる。

女友達…いや職場の女が遊びに来たりして、

いつのまにか、デキてる時も多い。

まあ、他人の男を取ることが、趣味のやつもいるから。

今回もそんなんだが…昨日は、むかついた。

留守にしてたら、

その女に、

あたしのズボンをはかしていたからだ。

アンタは、誰と寝ても構わないが、

あたしの物に触れるなと、

キレた。




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