ヒミツの恋【短編集】
閉じた目から涙が溢れ出す…






「…ぐすっ…中川君…」







私は堪え切れなくて、両手で顔を覆って泣いた。









そんな時だった。






ぎゅうっと強い力で抱きしめられる。







『…呼んだ?』






驚いて目を開けて両手を顔から外す。






目を開けた私の目の前に広がる景色は大きな胸板。中川君の胸の中…







「中…川君…ごめんね…」





『うん…』






「好き…なの…ひっく…」





『…うん…そうかなって思ってた…』






「…中川君は…私の事…好き?」






『…うん。高橋以外に話し掛けられても俺、シカトしてたし…。知らなかった?』






「ひっく…知らなかったぁ…うわぁん…」






中川君の大きな胸の中に抱き着いて大声で泣いた。
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