RAMS
~梨李芽~

今日蓮をデートに誘ったのに、断られた。

「なんで?」って言ったら「ちょっとな」って言われたから、もしかしたらと思って、柚萌に電話をした。


『どうしたの?』


受話器の向こうからはいつもと変わらない柚萌の声。

ホッとした次の瞬間、聞きなれた愛しい声が聞こえる。





『愛してる』



そして、耳を塞ぎたくなる大きな音と、柚萌の悪魔のような声が聞こえる。


『やめてっ!』



なにそれ、一緒にいたんだ。

サイテー。

うちは、3人で撮った写真の柚萌をペンでぐちゃぐちゃに塗りつぶした。




「ゆるさない」


そうつぶやいて家を出た。

向かったのはマンションの隣の部屋。
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