あの加藤とあの課長
「陽萌、大丈夫?」



私の顔を覗き込む晋ちゃんは相変わらず真っ赤だ。



「晋ちゃんー。」



晋ちゃんの首に腕を回して抱きつくと、よしよしとあやすように私の頭を撫でる。



「烏龍茶と間違えて日本酒呑んで、その口直しに呑んだのがチューハイって。」

「すいません、私のせいで…。」

「いや、陽萌から離れた僕のせいだし、気にしないで。慣れてるから。」



そんな会話が聞こえてきたけれど、そんなのどうでもいい。



「晋ちゃん…。」

「はいはい、タクシー捕まえて帰ろうか。」



晋ちゃんに促されるまま立ち上がると、先輩方に呼び止められる。



「主役が抜けちゃダメでしょー。」

「いや、あの。」



先輩方に引きずられるようにその場に腰を下ろすと、晋ちゃんはやたらと呑まされていた。

後輩ゆえに逆らえないことってある。


呑まされまくった晋ちゃんは、すぐに潰れてしまった。

もともと呑まされていたのだから無理もない。
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