あの加藤とあの課長
それから珍しくたくさん呑んだ私はすぐに気を失った。

散々源に甘えたような気もするけど。


目を覚ますと、源のベッドで源にしっかりと抱き締められていた。



「…朝…。」



……ん…? 明るくない…?

身を捩って時計に目をやると。まだ夜中だった。所謂丑三つ時。



「ん…、陽萌…?」

「あ、ごめん…。起こした?」



今にも閉じそうな目蓋の奥に、眠そうな瞳が揺れている。



「いや、大丈夫だ。」



私を抱き締め直すと、源はゆっくりと息を吐き出した。

鼻を掠める源の匂いにキュンとした。



「皆は?」

「リビングで雑魚寝。」



明日体痛いんだろうなぁ…。

なんて思いながら私はぬくぬくとベッドで眠る…、なんだか申し訳がない。



「明日…帰りの心配とか、もう必要ないんだよな…?」

「…うん。」

「やばいな…、この感じ、久しぶりすぎて…すげぇ戸惑う。」

「ふふ。」



源は私を抱き締める腕に力を込めると、溜め息を1つ零した。



「これからは、ずっと一緒だから。」

「…あぁ。」

「なんか、新婚さんみたい。」
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