あの加藤とあの課長
片野さんに送ってもらって家に帰ると、家の中は真っ暗だった。

お風呂に入って、布団に潜り込む。


日付が変わった頃、源が帰ってきたのが分かった。

ベッドに腰かけると、私の頭を撫でて、目尻に指を這わせる。



「……おかえり。」

「…ただいま。悪い、起こしたか…?」

「ううん…。」



目を閉じて息を吸い込んだときに、源の匂いに混ざった香水の臭いに気が付いた。

今日もまた、纏わりつかれたのかな…。



「……明日、朝礼終了後、社長室に来るようにとのことだ。」

「そ、っか。」

「陽萌、お前もだぞ。」

「………え?」



思わず目を見開いてしまった。

……私も?



「そうだ。」

「……分かった。」



嫌な予感しか、しない。

これはたぶん、明日がいよいよ、最終決戦なんだろう…。


お風呂から上がってきた源に抱き締められ、抱きつき、急に訪れたその日に思いを馳せていた。



泣いても笑っても、明日で全部が終わる…、いや、終わらせてみせる…!
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