御子の恋


『若造‼何しに来た⁉』

吠えながらも威厳を抑えてる赤雷。

「何って?さくらに会いに来たに決まってるんでしょ⁇さくら、おいで⁇」

『貴方の言う事などさくらが聞くわけ無いわ‼』

白炎が吠え掛かる。


さくらは黙り込んで下を見ていた。


そして決まったのか顔を上げた。


その目は何かを覚悟して居た。


「…蓮…。沙羅に…電話して。」

「何をする気だ⁇」

「逃げるに決まってんだろ…。私は風花に…言うから…。」

さくらはポッケから携帯を出した。


カチカチと音が鳴る。


俺も携帯を出して、連絡帳から、沙羅を出した。


そして、コール。


ワンコールで沙羅が出た。


“もしもし⁇蓮?どうしたの⁇”

「沙羅‼今すぐ身だしなみを揃えて玄関に来い‼沙羅の家まで行く‼」

”えっ⁈なっ何⁈“

急だから沙羅は戸惑う。

状況を片っ端から説明した。


“成る程ね…。分かったわ。さくらも一緒⁇”

「あぁ。大丈夫だ。」

”分かったわ。待ってる。“


プチッと通話が切れた。


さくらは用が終わったのかこちらを見る。


「大丈夫だ。承諾してくれた。」

「なら…良いんだけど…。赤雷、白炎、沙羅と風花のところへ行け‼先に行ってくれ‼後から付いて来る。」

『僕が残るよ。行って‼』

久留が残り、俺たちは沙羅、風花のところに向かった。








負けんなよ…さくら…。






俺は赤雷の背中に乗り、赤雷が、翼を広げ、バサバサと仰いだ。

地面から離れ、さくら達が小さく見えた。




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