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「ま、待ってください!」


優さんはパタパタと足音を響かせて

玲亜さまの後を追い掛けていった。


私は、思わずため息をついた。

あの二人がいなくなって、

急に気持ちが楽になった。



教室は二人がいなくなっても

ずっと静まりかえっている。


誰も喋り出さない。

音を出そうとしない。


沈黙の、世界。



毎日がこんなに静かだったら、

と私はひそかに考えた。


毎日がこんなに静かだったら

私は毎日嫌な思いをせずすむのに。



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