守ってくれますか?
私がわたわたしていると、ナオ様が痺れを切らして振り返った。

視線が、私の右肩に集中される。



「その血・・・どうした?」




わわわ・・・

顔がこわい・・・




「これは、その、銃でやられまして・・・」


言い終わらないうちに、ナオ様は私にすっと近寄った。





ドキンッ




高鳴る鼓動。








・・・ナオ様、本当に来てくれたんだ・・・


今、ナオ様の顔をちゃんと見て、実感した。






ナオ様は、そっと私の肩に触れ、銃弾の痕を見つめた。





その顔は・・・


どこまでも悲しげで、悔しそうだった。


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