守ってくれますか?
「だが・・・その蓋はゼロの前では無効だった。レインはゼロの前では、苦しみと哀しみに押し潰されそうになる。ゆえに、その感情を押し隠そうとする。


しかし・・・・・ヒカリ。お前は、レインのその“心の蓋”をこじ開けることができる。しかも、楽しさを。


だからこそ賢者はヒカリとヒカルを希望と言った。ヒカルもだ。なぜか?ヒカリはヒカルがいてこそだからだ。兄妹という繋がりは、レインとゼロと同じだからだ。通ずるものがある。


そして、それが分かったから、我と賢者は一仕事していた。


ゼロをロゼに戻したのだ。

だが、戻せばゼロは生きられない。我と賢者の魔力を使って・・・あと約10時間はぎりぎり生き延びられる。


だから――


ヒカリ、ヒカル。行け。レインと、ついでにロゼも説得しろ。そうすれば、戦いなどしなくても、クーデターは成功する。

レインに希望を与えよ。

それが、お前達が約10時間の間にする任務だ。


必ず・・・遂行せよ!!!」





「「イエッサー!!!」」





レインの事情も、ロゼの事情も分かった。


やるべきことは、漠然とだけれど、分かる。





――レインに、希望を。――




哀しみと苦しみと絶望に塗れたあの、冷たい瞳をもつ青年に・・・一筋の光を。






―ヒカリside end―

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