守ってくれますか?
「ああ、うん。じゃ、こっからが本題。」

「さっさと入れ。」
俺がギロリと軽く睨むと、シュウは首をすくめた。

「んーーっと。ざっくり言うと、アンリがこの城に住むことになった。」

「は?」

「ちなみに、明日から。ナオの隣の部屋を使うらしい。」

「は!?」

な、なんだと!?

「俺の婚約者のアンリが俺の隣の部屋で暮らす?
何か期待してるのか?」

「そりゃ、してるだろうさ。だいたい、お前、わかってんのか?」

「なにがだ。」

シュウは、『こりゃだめだ』とばかりに、盛大にため息をついた。

「お前とアンリの婚約が決まってから、明日でちょうど1年たつんだよ!」

「・・・・そう、だったか?」

「そうだよ!!んで、ちょうど1年たつし、一緒にお城で暮らしましょ、って言ってるわけ!!」

・・・・マジか。

「面倒くさいことになったな。」

「ああ、ホント、その通りだよ。
お前はアンリを嫌ってるっつうのに、アンリの方はお前にベタ惚れだもんなあ・・・」

シュウは投げやりに続ける。

「しかも、お前ヒカリに惚れちまったんだろ?」

「・・・ああ。」

シュウの言っていた“大波乱”の意味が、ようやくわかった。

・・・・どうなるんだよ。




今、俺の目の前は、不安しかない。
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