素敵彼氏の裏の顔
第三章
幼馴染の決断
「美優、危なかったんだって?」
学校に着くなり、楓が心配そうな顔で話しかけてくる。
……いや、顔は確かに心配そうなのだが、右手には携帯をもって何やらぴこぴこと動かしている。
今流行りの携帯ゲームだろうか。
それとも、SNSの類だろうか。
ミーハーな楓は流行にも敏感で、まさしく彼女みたいな人が大学生活謳歌しているのだろうと思った。
「あぁ、ちょっと肋骨痛めちゃって」
ドジを装って言うと、
「マジでぇ!?」
大声を出す。
「肋骨とかヤバいんじゃね?
そりゃ、隼斗君が心配するわぁ」
早口にまくし立てた。
楓のテンションはいつも高い。
楓みたいに生きることが出来るなら、あたしの悩みなんてちっぽけなものに思えるかもしれない。
あたしは……楓が羨ましい。