素敵彼氏の裏の顔
部屋の中に気まずい沈黙が流れる。
聞こえるのは、家の外を通る車の音と、時計の針。
どうしたらいいのか分からなくなって、下を向いた。
あたしの手は、微かに震えていた。
その手に、ゆっくりと隼斗の手が伸びる。
その大きな手で、そっと大切に包んでくれる。
それだけで、少しずつ気分が落ち着いてくる。
「美優………俺が怖い?」
隼斗の声は温かくて、心にじんわりと染み込んできて。
顔を上げると、綺麗な隼斗の瞳と視線がぶつかる。
隼斗は寂しそうな仔犬みたいな瞳をしていて。
あたしは、横に顔を振っていた。
「あたしは……隼斗を信じてる」
「……ありがとう」
そうにっこり笑う隼斗は、無邪気な少年のよう。
心がほんのり温かくなって、あたしの顔も綻んでいた。