素敵彼氏の裏の顔
離れていく彼
あやちゃんたちのライブは、大盛況のまま終わった。
鳴り止まぬアンコールに、あやちゃんたちは深々と頭を下げていた。
隼人もすごく嬉しそうな顔をしていて、そんな隼人を見るだけで幸せになるあたし。
隼人の手をぎゅっと握った。
そんななか、
「橘。あの娘、お前の妹だろ?」
いつの間にか淳ちゃんが現れて、隼人の肩にわざとらしく手をかけて話しだす。
周りの人が、
「きゃっ、城内先輩っ」
黄色い悲鳴を上げるがお構いなしだ。
反対に、隼人は気まずそうに俯いた。
「やべぇな、可愛いな」
ニヤニヤ笑う淳ちゃんに、
「あやに手ぇ出したら、マジで許さない」
珍しく怒りだす隼人。
それでも淳ちゃんは平気のようで、
「いいじゃん、お前も俺の妹に手ぇ出してんだから」
けらけらと笑っていた。