素敵彼氏の裏の顔
第五章
新たな朝
朝の眩しい光で目を開く。
あたしの視界に飛び込んできたのは、懐かしいあたしの部屋。
薄い色の机に、色褪せたポスター。
壁に掛けられた時計は、もはや時を刻んでいなかった。
つい数ヶ月前までこの部屋に住んで、当たり前のように制服を着て高校に通っていた。
それが嘘のようだ。
この数ヶ月間で色々なことがあった。
淡いピンクのカーテンを開く。
眩しい陽の光が差し込み、目の前には見慣れた淳ちゃんの家がある。
昔はこのカーテンの隙間から、淳ちゃんの家をずっと眺めていたな。
なんて物思いに耽ってしまう。
そんなあたしの目にとまったのは、エプロン姿で庭を掃く、淳ちゃんのお母さんの姿だった。
久しぶりに見る淳ちゃんのお母さんは、少しだけ白髪が増えている。
何だか月日の流れを感じた。