素敵彼氏の裏の顔



「は……隼斗、ありがとう。

でも、あたし……」




あたしの声は、醜く上ずっていて。

それと対照的なほど、隼斗の声は落ち着いていた。




「しんどい時は、俺が話を聞いてあげる。

俺に出来ることがあるなら、何でも協力する」





強くならなきゃ。

自立しなきゃ。

そう思うのに、目の前に差し出された隼斗の手を握ってしまう。




「だから、はやく元気になってね」




不覚にも、その言葉に胸の中がほんわかと温かくなった。

隼斗に淳ちゃんを重ねてしまっていた。


< 31 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop