素敵彼氏の裏の顔




隼人と会ってからの思い出が、走馬灯のように頭を駆け巡る。




穏やかで大人で、淳ちゃんとは違うなぁと思った出会い。

隼人の過去を知って落ち込み怯える日々。

それでも、隼人はいつまでたっても優しかった。

そして、あたしが隼人の秘密を知っていることがバレても、隼人は態度一つ変えなかった。




こんなあたしを……

誠実に、一途に愛してくれた。







「隼人……」




嗚咽とともに言葉が漏れる。



今のあたしがいるのも、隼人のおかげ。

こうやって元気に過ごせたのも、全部隼人のおかげ。

これからも、この幸せが続くはずだよね。






「行かないで……」




手をぎゅっと握りしめる。

二度とこの手を離したくない。




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