素敵彼氏の裏の顔
「神木さん、いいのです!?」
奴の後ろに従っていた、子分みたいな男が慌てる。
だけど、それ以上に慌てたのは、他でもないあたしだった。
ー神木さんー
彼は確かにそう言った。
そして、それは何度も耳にしたことのある名前だったのだ。
淳ちゃん……いや、誰もが言っていた。
西高の神木だけは気をつけろと。
奴に情け容赦なんて言葉はない。
あるのは破壊と快楽のみだと。
あんなに強い淳ちゃんが恐れていた唯一の男、神木。
その人が、あたしの目の前にいるなんて……。