素敵彼氏の裏の顔
「それより、あいつが来なくて良かった」
「あいつ?」
思わず聞き返してしまうと、淳ちゃんは途端に真顔になる。
そして、ずいっとあたしに顔を近付けてこう言った。
「西高の神木。
俺は横着しすぎて、奴を怒らせたらしい」
そんなこと言っても、淳ちゃんなら大丈夫だよ。
この高校で、淳ちゃんの右に出る奴なんていないじゃん。
「俺なんて優しいもんだ。
……いいか、美優。
西高の神木には気をつけろ。
あいつには、感情なんてねぇ」
神木……?
ねぇ、淳ちゃん。
神木って、もしかして………