素敵彼氏の裏の顔
「あたしが誰と付き合おうと、淳ちゃんには関係ない。
あたしが不幸になろうと、淳ちゃんには関係ない。
隼斗が神木でも、淳ちゃんには関係ない!!」
あたしは叫び、駆け出していた。
擦りむいた傷がずきずき痛むが、心の方がもっともっと痛かった。
「美優!!」
後ろから淳ちゃんの声が聞こえる。
だけど、それに応えてはいけない。
もう淳ちゃんは卒業したのだから。
前を向いて全力疾走する。
あれほど好きだったのに、あれほど両思いになりたいと思ったのに、今は淳ちゃんから離れたかった。
……また好きになっちゃうかもしれないから。
隼斗と淳ちゃん、両方は好きになれないから。