【完】初めての恋は――。
この気持ちは何なのでしょう
県大会も終わってから、最近は部活に慌ただしさはなくなった。


大きな大会は終わったが、部活は毎日ある。


そろそろ休みがほしいな。
そんなことを思うほどに。


そして、剣道部員と過ごすことがますます多くなっていった。


帰り道は以前と変わらず、前田先輩、小百合先輩、弘樹の4人だった。



今日ももちろんいつものメンバーで帰宅していた。


「弘樹よかったな、今度の試合はレギュラー入りだぞ」


そうなのだ。

今度の新人戦で、なんと弘樹がレギュラー入りを果たしたのだ。


女子と違って人数のいる男子でレギュラーを勝ち取るのは大変なはずなのに、一年で唯一のレギュラーの座を勝ち取っていた。


やっぱり弘樹ってすごいよね。


「まだまだ今からですよ。でも、これで俺だけ遠征置いていかれることはなくなりました」


「確かに今まで弘樹は遠征なかったもんね。今度の遠征もレギュラーだけだし」


小百合先輩がなるほどと言うように答えていた。


このメンバーで弘樹だけいつも居残り組だったもんな。


弘樹気にしてたんだね。





「おっ、もうこんなところまで来たな」


話に集中していると、先輩たちとばいばいする交差点に着いていた。


「2人ともお疲れ。また明日ね」


「お疲れ様でした。失礼しまーす」


先輩たち2人が帰っていくのを見て、私と弘樹も家路に着いた。
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