哀しみの音色
部屋に一人残されて、もんもんとさっきの言葉を思い浮かべる。
(最愛の人を殺してるから)
とてもじゃないけど、信じられない。
莉桜が人を殺すなんて……
しかも最愛の人を……。
人より少し変わった莉桜。
他人を寄せ付けず、一人で生きていくというような性格。
だけどたまに見せる悲しげな瞳。
零れ落ちる涙。
きっとそれには、理由があるに違いない……。
「莉桜……」
もういない彼女の名前を呼ぶ。
まだ出逢って間もないはずなのに、どうしてこんなにも彼女のことが気になって仕方がないんだろう……。