またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜


「ねぇ!聞いて!!テストやばいよ!!ちょー書けたの!!赤点ないかも!伊月のおかげありがとーーー!」


そう言って俺に抱きついたお前。


その瞬間、悠宇とお前がいる所を思い出して……


「……触んな、」


振り払っていた。


「え、どうした?あ、ごめん……嬉しかったからつい……」


「お前むかつく。誰にでもすんのかよ。」


「ええ?誰にでも?ちょ、ちょっと」


「だいたい、まだテスト返ってきてないのに喜んでんじゃねーよ。」


なぜか無償に腹が立つ。


「はぁ?何よ!!お礼言ってるのに!いいよもう!!」


俺の態度に怒ったのか自転車置き場に戻って行った。


そして、遠くから聞こえたバカでかい声。


「もう、あんたなんか知らない!!バーーーカ!!!」


お前にバカなんて言われたくねーよ。


俺は振り返らずにグラウンドに戻った。


最近のこの無償に腹が立つのはなんだ。

わからないまま練習に明け暮れた。



< 208 / 361 >

この作品をシェア

pagetop