何度でもまたあなたに恋をする
「ちょっと転職したんだよ。でもここの人たちはみんないい人ばかりだし、やりがいあって俺はいいけどな」

「そう、なんですか」

「そんなにスーツのが良かったか?俺は結構気に入ってんだぜ。この作業着」

そう言って作業着の上着をヒラヒラと散らつかせる。確かに似合ってると思う。グレーの作業着。でも欲を言えばスーツ姿が良かったりなんかして。

「不服そうな顔すんなよ。スーツ姿もまた見せてやるからさ」

不思議。契約で付き合うってさっき決まったばかりなのになんであたかも前から付き合ってた感を感じずにはいられないんだろう。それに清水さんも前からあたしのこと知ってたってことなのかな。

「いろいろ聞きたいことがありそうだけどまずは仕事な。とりあえずお前は今日俺の仕事見て覚えてくれたらいいから」

あたしの視線に気がついたのか清水さんもこっちを見て視線が重なった。優しく頭を撫でながらそう言われてあたしも仕事モードに切り替えなきゃいけないなと実感させられた。とりあえず今日の夜に説明するって言われたから今は教えられたことを頭の中に叩き入れることに集中しよう。

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