不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


い、岩佐さんだ……‼



チラッとしか見えなかったけど、あれは絶対岩佐さんだった。



岩佐さんは目に涙をたくさん溜めて、扉に背を向けて立つ誰かを真剣に見つめていた。



ここからだと後ろ姿しか見えないけど、この背格好は間違いなく愛翔のもの。



岩佐さん……。



「悪いけど何回言われてもムリなもんはムリ」



間違いない、愛翔の声だ。



「どうして?あたしのこと好きじゃなくてもいいから……お願いだよ」



悲痛な岩佐さんの声が辺りに響く。



周りがシーンとしているせいで、その声ははっきりあたしの耳にも届いた。



「長谷川君って前は好きじゃない女の子とも平気で付き合ってたんだよね?」



なんでだろう、胸が苦しい。


思い当たる節がありすぎて。



「だったらあたしでもいいじゃん……辰巳さんのことだってどうせ本気じゃないんでしょ⁉」



ドクリと心臓が嫌な音を立てる。


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