不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


放課後、まどかと一緒に駅前のカラオケへやって来た。



ドリンクをオーダーした後、荷物を置いて一息つく。



だけど、ふとまどかからの視線を感じて顔を上げた。



「なに?あたしの顔になんか付いてる?」



ニコニコ笑うまどかを不思議に思いながら首を傾ける。



「いや、愛翔君との仲はどうなのかなって思って。ほら、学校じゃ詳しく聞けないでしょ」



曲を入れるよりも先に、まどかが目を輝かせながら聞いて来る。



「まどかも知ってる通り、別にどうもないよ。元々気持ちで繋がってないんだから」



そう、暇つぶしの相手をさせられているだけ。



その証拠に最近じゃ話さない日も増えた。



きっと飽きたんだと思う。



「偽りの関係から、本気の想いが芽生えちゃったりはしないわけ?」



本気の想い?



「あはは、ないない。だって、あたしが好きなのは結ちゃんだもん」



そう、あたしには結ちゃんがいるもん。


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