Kitty love
「今日もキョーレツだったなー、真白ちゃん」



俺にとっての嵐が去った昼休み。

前の席に座った横山が、ほとんど感心したようにそう話しかけてきた。

食べ終わったパンの袋をくしゃりと潰し、俺はあからさまなため息をつく。



「マジうざい……」

「とかなんとか言っちゃってー、実はまんざらでもないんじゃないの~?」

「おまえもマジでうっざい」

「ひどっ!!」



なんかもうちっちゃい『つ』が入ってるあたりで普通より傷ついた!!とかなんとか騒いでいる横山をスルーし、手にしたゴミを捨てるべく立ち上がる。

教室の前側に置かれたゴミ箱の前まで来ると、横にあるドアのはめ込みガラスに映った自分の顔が目に入って、知らず眉間にシワが寄った。


……自覚はある。一般的な同い年の男子と比べて大きめな目や、まつげが長いこととか。加えて身長も、高い方ではない。

今まで散々、女顔だなんだと言われてきたけど。……けど、さっきまでここにいたあの女ほど、ああ何度も人が気にしていることをはっきり正面から言い放つような、失礼極まりない奴もそうそういないと思う。
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