キミとボク
プロローグ
バタッ……
「ごめんなさい!ぶつかっちゃった……」
いきなりぶつかってきたのは、1人の女の子。
「ううん。大丈夫だよ。」
「でも、私……」
「だーいじょうぶ!うち、急いでるからさぁ。」
言葉を振り切って歩き出す。
……って、え?
付いてきてるんですけど……
「あのさぁ……」
「同じクラスなんですっ!沙織さんとっ!」
もう、本当にびっくり。
統合して二年目。
五年生になる。
去年、クラスが違ったはずなのに……
「一緒にいこ?」
「あ……はいっ……うん!」
私の名前は齋藤沙織。小学五年生の女の子。
「名前は?」
「齋藤葵……」
同じ名字……
なんかいいかも……?
今年の春の、こんなありふれた1日。
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