【完】大キライなキミに片想い中。




【翔希サイド】


「あー、もう俺ダメかもしんねぇ」


「翔希、完全にやらかしちゃったな」


あの日から1週間経った授業中。
俺のぼやきに一緒に屋上で授業をサボった悠麻が言う。


「せっかく俺と涼花が計画立ててやったのに~」


慧斗は炭酸ジュースを飲みながら言った。


「はぁ。もうどうしたらいいかわかんねぇー……」


俺はそう言いながら寝転んだ。


「翔希ってマジで女心わかってねぇーなぁ」


悠麻は嫌味ったらしく言ってきた。


「うっせ。じゃあ悠麻にはわかんのかよ?」


「まぁね。俺、結構女子に紛れて話したりするから、色んな情報入ってくるもん」


くそ……どうせ俺なんて、女心わかんねぇよ。
由愛か言ってた“期待”とか、“勘違いさせるようなこと”の意味がわからない。


「なんか仲直りする方法ねぇーかな」


「あ!」


悠麻が思い出したように手をたたいた。
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