交わらなかった平行線

『ねぇ、何してるの♪』

え？
この人…誰？

『あの…誰ですか？』

この時、
逃げてればよかったんだ。

逃げてれば…。


『俺？高校生』

『なんで声かけたんですか？』

『なんでって…、気になるならこっちきて？』

私は、
ついていったんだ。

何が起こるかなんて、
考えもしないで。



『名前、なんて言うんですか？』

『んー？秘密』

なんで、
秘密なんだろう。

『ここ、入ろう』

『ここ、何処ですか？』

『入ればわかるから』


今の私なら、
この時引き返せたのに…。

なんで…、
なんでついていったの…。